※以下「不動産ジャパン(住まいの税金)」より引用しております。
住宅ローンを利用して、住宅の購入や新築などをした場合で一定の要件を満たすときは、所得税や住民税について、住宅ローン控除の適用を受けることができます。また、住宅ローンを利用しない場合でも、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅については、所得税の特別控除を受けることができます。ここでは、こうした控除について紹介しています。
住宅ローン等を利用して住宅の購入や新築または増改築等をした場合で、一定の要件に当てはまるときは、住宅ローン借入金等の年末残高の合計額を基として計算した金額を所得税額から控除することができます。
主な要件は次の通りです。
2014年4月1日以降、住宅等の取得の対価に含まれる消費税等の税率が8%または10%の場合については、控除対象となる借入金の上限は、住宅の種類により、次のようになります。
居住年 | 控除期間 | 対象ローン限度額 | 控除率 | 合計最高控除額 |
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2014年 4月~2021年12月 | 10年間 | 4,000万円 | 1.0% | 400万円 |
居住年 | 控除期間 | 対象ローン限度額 | 控除率 | 合計最高控除額 |
---|---|---|---|---|
2014年 4月~2021年12月 | 10年間 | 5,000万円 | 1.0% | 500万円 |
ただし、2014年4月以降の物件の引き渡しでも消費税が非課税となる個人の売り主から購入した既存(中古)住宅の場合は、対象となるローン限度額が2,000万円、合計最高控除額が200万円となります。
2019年10月1日から2020年12月までに引き渡しを受け、居住した住宅等の取得の対価に含まれる消費税等の税率が10%の場合については、 控除期間が3年延長されて13年となります。また、延長された控除限度額は、 (1)借入金年末残高に控除率を乗じた金額、 (2)税抜き建物価額(4,000万円が上限、認定長期優良住宅※1、認定低炭素住宅※2は5,000万円が上限)の2%の3分の1に相当する金額、のいずれか小さい方の額になります。
居住年 | 控除延長期間 | 対象ローン限度額・控除 対象建物価額の上限額 |
控除率・控除限度額 の計算方法 |
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2019年 10月~2020年12月 | 3年間 | 4,000万円(認定住宅の場合は5,000万円) | 以下のいずれかの小さい額 (1)ローン年末残高の1.0% (2)建物価額の2%の3分の1 |
※1 | 認定長期優良住宅とは、住宅の構造及び設備が、次に掲げる措置が講じられたもので、一定の認定基準を満たしたものをいいます。
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※2 | 認定低炭素住宅とは、都市の低炭素化の促進に関する法律の規定に基づく認定を受けた建築物のうち、租税特別措置法に定める一定の新築住宅をいいます。認定集約都市開発事業により整備される特定建築物である住宅を含みます。 認定基準は、一次エネルギー消費量を指標として住宅・建築物の低炭素化を定量的に評価し、断熱材の厚みや複層ガラス、軒ひさしの設置、太陽光発電パネルの設置等により、省エネルギー法に基づく省エネルギー基準を超える性能(一次エネルギー消費量がマイナス10%以上)を求めることを基本としています。 これに加え、節水対策やHEMSの導入などの措置を選択的項目として定めています。なお、省エネルギー基準と同等以上の断熱性能を確保することも要件とします。 |
なお、2013年分から2037年分までの所得税について、住宅ローン控除による税額控除等、所定の計算をした後にその年分の所得税額(外国税額控除の適用を除く)が算出される場合には、算出された所得税額を基に2.1%の復興特別所得税がかかります。
住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要です。適用を受ける1年目に確定申告をしたサラリーマンは、2年目からは税務署から送られてくる書面に記入し、金融機関の残高証明書とともに勤務先に提出すれば年末調整で控除できます。
ただし、住民税からの控除を受ける場合には、所得税の確定申告を済ませていれば原則として市町村等への申告が不要となりますが、別途改めて申告することもできます。
また、住み替えで新たに購入した住宅について住宅ローン控除の適用を受けた後、旧住宅を譲渡する場合などのように、住宅ローン控除の対象となった住宅ではない物件を住宅ローン控除の適用の翌年、翌々年に譲渡した場合、「【売る】ときの税金2-1居住用財産の3,000万円特別控除」や「【売る】ときの税金2-3特定居住用財産の買換え等の特例」などと、住宅ローン控除の併用はできません。
このためどちらかを選択することになりますので、注意が必要です。
所得税額から控除しきれなかった金額があるときには、翌年の住民税から一定金額を限度として控除することができます。住宅等の対価に含まれる消費税等の税率が8%または10%の場合については、次のようになります。
居住年 | 控除限度額 |
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2014年4月~2021年12月 | 所得税の課税所得金額等※×7%(最高 13万6500円) |
※前年の所得税の課税総所得金額、課税退職所得金額、課税山林所得金額の合計額をいいます。
ただし、消費税が非課税となる個人の売り主から購入した既存(中古)住宅の場合は、控除限度額が所得税の課税所得金額等の5%(最高9万7500円)となります。
所得税の住宅ローン控除の特例(消費税率10%に対する拡充措置)の創設に伴う措置
2019年10月1日から2020年12月までに引き渡しを受け、居住した住宅等の取得の対価に含まれる消費税等の税率が10%の場合について、 所得税の住宅ローン控除の控除期間が3年延長となり、控除限度額の計算が変わりました(上記、「住宅ローン控除の特例」の内容を参照)。 これに伴い住民税についても、延長された3年間で所得税から 住宅ローン控除額を控除してなお残額がある場合には、翌年度分の住民税から一定金額を限度として控除することができるようになりました。控除限度額は、次のようになります。
居住年 | 控除限度額 |
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2019年10月~2020年12月 | 11年目から13年目の住宅ローン控除の特例の控除額を所得税から控除した残額で所得税の課税所得金額等※×7%(最高 13万6,500円) |
住宅ローン控除の適用を受けるには、新築、購入、増改築等をした日から6ヶ月以内に居住し、その年の年末まで引き続き居住することが必要とされています。しかし、転勤等のやむを得ない事情による場合は、一定の条件を満たせば適用を受けることができます。
なお、消費税等の税率が8%または10%の場合について、住宅ローン控除の拡充措置を講じてもなお効果が限定的な所得層に対しては、「すまい給付金」の給付制度が設けられています。
→ すまいの給付金
さらに、消費税率が10%の場合について、一定の性能を有する住宅を取得したりリフォームしたりする場合に、新たに「次世代住宅ポイント制度」が設けられました。
長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく認定を受けた長期優良住宅、都市の低炭素化の促進に関する法律に基づく低炭素住宅(両方を合わせて認定住宅といいます)の新築等を行い、居住した場合に、所得税額から一定の税額控除ができる制度です。
主な適用要件は以下の通りです。
通常の住宅に比べて性能を強化するためにかかった費用に相当する額(性能強化費用相当額)の10%を、その年の所得税から控除します。なお、1年で控除額を所得税から控除できなかった場合には、控除しきれなかった残額を翌年の所得税から控除できます。
住宅ローン控除とは選択制となっていますが、居住用財産の買換え等の特例との重複適用は可能となっています。
2014年4月1日以降、住宅等の対価に含まれる消費税等の税率が8%または10%の場合については、控除対象限度額が次のようになります。
居住年 | 控除対象限度額 | 控除率 | 控除限度額 |
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2014年4月~2021年12月 | 650万円 | 10% | 65万円 |
※以上「不動産ジャパン」より引用