税金の手引き

住まいを売るときにかかる税金:譲渡して利益が出た場合の特例

※以下「不動産ジャパン(住まいの税金)」より引用しております。

不動産を譲渡したときには、譲渡所得税や住民税・復興特別所得税がかかりますが、マイホーム(居住用の住宅)を売却した場合には、税金を軽減する様々な特例があります。

 空き家を相続した場合に適用される3,000万円特別控除については、空き家特例(「4 被相続人の住まいを売る場合の特例」)を参照ください。



2-1.居住用財産の3,000万円特別控除
適用要件
  1. 所有者が現に居住するために利用している住宅であることが要件となります。また、その住宅に住まなくなった場合でも、その日から3年目の年末までに売れば特例の適用が認められます。
  2. 売った年の前年・前々年に、次の特例の適用を受けていないことが条件です。
    • 居住用財産の3,000万円特別控除(同じ特例)
    • 特定居住用財産の買換え・交換の特例
    • 居住用財産買換えの場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
    • 特定居住用財産の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  3. 次の特例と重複して適用することはできません。
    • 固定資産の交換の特例
    • 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
    • 交換処分に伴い資産を取得した場合の特例
    • 換地処分等に伴い資産を取得した場合の特例
    • 収用交換等の場合の特別控除
    • 特定事業用資産の買換え・交換の特例
    • 特定普通財産とその隣接する土地等の交換の特例
     本特例と被相続人の住まいだった空き家を相続して売った場合の3,000万円控除(「4 被相続人の住まいを売る場合の特例」)を同一年内に併用する場合、2つの特例合わせて3,000万円が控除限度額になります。
    ただし、併用住宅等の場合、住宅部分について3,000万円控除を適用すると同時に、住宅以外の部分について、収用の場合の課税の特例のうちの「代替資産を取得した場合の特例」「交換処分に伴い資産を取得した場合の特例」、「特定事業用資産の買換え・交換の特例」が、適用できる場合があります。
  4. 親子間や夫婦間での住宅の売買の場合には、適用できません。
  5. 別荘や一時的な仮住まいには適用がありません。

このほか、特殊な場合の要件は国税庁のHPを参照してください。国税庁

特例の内容

譲渡所得の額から3,000万円を上限として(譲渡所得の額が3,000万円未満の場合は譲渡所得の額を上限として)、控除することができます。

控除の申告

適用を受ける場合には、税務署に確定申告をする必要があります。

2-2.長期譲渡所得の軽減税率"

10年超所有している住居を譲渡する場合で、所定の要件を満たすものについては、長期譲渡所得に対する税率が軽減されます。

長期譲渡所得の軽減税率

適用要件
  1. 国内にある自分が住んでいる家屋を売却するか家屋とともにその敷地を売却すること、あるいはかつて住んでいた家屋や敷地の場合は、住まなくなってから3年目の12月31日までの売却であること
  2. 売却した年の1月1日現在において、土地建物の所有期間がいずれも10年を超えていること
  3. 売却した年の前年もしくは前々年にこの特例を受けていないこと
  4. 売却した土地建物について、以下の特例を受けていないこと
    • 上記2-1の特例の適用要件3に掲げた特例(収用交換等の場合の特別控除を除きます)
    • 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
    • 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例
    • 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例
    • 既成市街地内等にある土地等の中高層耐火建築物等の建築のための買換え・交換の特例
      (特別の事情により一定条件の下で長期譲渡所得の軽減税率が受けられる場合があります)
    • 特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例
    • 特定普通財産とその隣接する土地等の交換の特例
    • 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除
    ※ ただし、「2-1. 居住用財産の3,000万円特別控除」の特例と軽減税率の特例は重ねて受けられます。
  5. 売り主と買い主の関係が親子や夫婦など特別な間柄ではないこと
軽減税率
課税長期譲渡所得金額税額
6,000万円以下の部分14%(所得税10%+住民税4%)
6,000万円超の部分20%(所得税15%+住民税5%)

 2013年から2037年までの税額については、算出された所得税を課税標準として復興特別所得税2.1%分が加算されます。

適用のための申告

適用を受ける場合には、確定申告をする必要があります。

2-3.特定居住用財産の買換え等の特例(課税繰り延べ)

住居を買い換える際、売却した住居について譲渡益が発生した場合に、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例です。
なお、この特例の適用期限は2023年12月31日までです。

適用要件
  1. 売買した住居は、いずれも国内にあり、売却した住居について売った年、その前年、前々年に次の特例を受けていないこと
    • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(2-1の特例)
    • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
    • 居住用財産の譲渡所得の特別控除
    • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
    • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
    ※ 次の特例とは重複して適用することはできません。
    • 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
    • 交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
    • 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
    • 収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除
    • 特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例
    • 特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例
    • 特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例
    • なお、被相続人の住まいだった空き家を相続して売った場合の3,000万円控除(「4 被相続人の住まいを売る場合の特例」)とは重複適用が可能です。
  2. 自分が住んでいる家屋や敷地の売却であること、あるいは、かつて住んでいた家屋や敷地の場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までの売却であること
  3. 売却した年の1月1日現在において、土地建物の所有期間がいずれも10年を超え、かつ売却した人の居住期間が10年以上であること
  4. 買い換える建物の床面積が50㎡以上のものであり、買い換える土地の面積が500㎡以下のものであること
  5. 売却の年の前年から翌年までの3年の間に買い換えること
  6. 買い換える住居が耐火建築物の既存(中古)住宅である場合は、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または一定の耐震基準を満たすものであること
  7. 買い換える住居が耐火建築物以外の既存(中古)住宅である場合は、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または一定の耐震基準を満たすものであること(2018年1月1日以後に譲渡し、同年4月1日以後に取得(買い換え)する場合に適用)
    なお、経過年数または一定の耐震基準の要件を満たさない場合でも、取得期限までに改修等を行うことにより経過年数または一定の耐震基準の要件に適合することとなったときには、経過年数または一定の耐震基準の要件を満たす家屋を取得したものとされます。
  8. 売り主と買い主の関係が親子や夫婦など特別な間柄ではないこと
  9. 住宅を譲渡した年の前年、前々年、譲渡した年、及びその翌年、翌々年に、譲渡した住宅と一体として利用していた土地やその権利や家屋を譲渡した場合には、譲渡資産の譲渡対価の合計額が1億円を超えるときは特例の適用はないこと
  10. 2023年に住宅を譲渡し、買い換える見込みの住居が2024年1月1日以後に建築確認を受ける住宅(登記簿上の建築日付が同年6月30日以前のものを除く)または建築確認を受けない住宅で登記簿上の建築日付が同年7月1日以降のものである場合には、その住宅が一定の省エネ基準を満たすものであること(2022年4月1日から適用)
特例の内容

譲渡益に対して買い換え時には課税されず、将来その住居を売却する際の譲渡益に、その繰り延べた譲渡益が加算されて課税されるという特例です。

  1. 売却した住宅の譲渡価額が買い換えで取得した住宅の取得価額以下である場合
    譲渡益はなかったものとされ、課税されません。
  2. 売却した住宅の譲渡価額が買い換えで取得した住宅の取得価額を超える場合
    この場合、
    売却した住宅の譲渡価額(ア)-買い換えで取得した住宅の取得価額(イ)=譲渡収入金額
    とします。
    必要経費は、
    (売却した住宅の取得費+譲渡費用)×((ア)-(イ))÷(ア)
    により計算します。課税される譲渡所得は以上で求めた譲渡収入金額から必要経費を控除して求めます。

特定居住用財産の買換え等の特例

適用のための申告

適用を受ける場合には、確定申告をする必要があります。


※以上「不動産ジャパン」より引用

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